海外生活の現実
たくさんの日本人が憧れ、夢を抱く海外生活、果たしてその現実は?イギリス語学留学、アメリカ大学院留学、日本とカナダ両方の企業でエンジニアとして就職、仕事を経験した著者が語る、海外生活の現実とは・・・
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レイオフの現実
2006年、私の会社の株主が大きく変更することになり、会社自体の組織も大きく変わることになりました。私の会社自体、有名な会社でもあったため、カナダ全体でも大きなニュースになるほどのことでしたが、私はそれが何を意味するのか、すぐにはわかりませんでした。しかし時間が経つにつれて、組織変更とともに、大きなレイオフ、つまりリストラが行われようとしていることがわかったのです。個人的には自分は重要なポジションにいましたし、自分の会社への貢献度には自信を持っていたため、自分が解雇される心配はしていませんでしたが、それよりも自分の周りの人、一緒に仕事をしている人が解雇されることはどんな感じなのか、特に自分は外国人であり、後から雇われた者であるため、少し考えさせられるものがありました。

その後2ヶ月ごとに、全社員を集めた社長からの状況報告がありましたが、株主変更プロセスの進行状況が報告されるだけで、最も社員が気にしているレイオフに関してはまだ何も言えないという報告だけでした。そのような報告が何度も何度もなされるうちに、社員は自分の将来を心配し、士気は下がるばかりで、そのような手法に私も理解できませんでした。

9ヶ月後くらいに、新しい組織構成が報告されました。それによって、あるグループが完全になくなるという推測がされました。そのグループにも数名の知り合いがいましたが、その事実は前からややわかってはいたものの、やはりなんとなく元気がなさそうというか、ぴりぴりした状態でした。

1年後くらいに、株主変更の手続きは終わりました。その地点では会社内は全く変更点はありませんでした。同時に、55歳以上の人に、早期自主退職プランが出されました。大まかに言うと、自主退職希望者には約1年分の給料を一括で支払い、さらに通常65歳からもらえる年金を早くもらい始めることができる、というとてもよい条件で、55歳以上の人はそれに応募せざるをえないような状況に追いやられていました。見かけ上、いきなりレイオフをして雇用者を解雇するのではなく、まずは自主退職希望者を募集してから、温和にレイオフを実行していくという感じでしたが、その良い条件からは、多くの人をレイオフしたいのだな、という裏の考えが見受けられました。結局55歳以上の人のほとんど、約50名がその自主退職に応募し、2007年12月末で退職することとなりました。

約1年2ヵ月後の今日は2007年11月30日、金曜日です。昨日の夕方、私の部署の副社長からメールがあり、全員30日の午前中は机のブースにいるように、ほかの社員とは一切会話、ミーティングをしてはいけない、という通知がありました。まわりの人によると、解雇される人はマネージャが机に言いに来るということでした。そして今朝9時、私は出勤し、今、机にいます。周りでは少し声が聞こえてくるたびに、誰がどうなるのか考えてしまいます。私の前の席にいる人に、別の女性が声をかけているのが聞こえてきましたが、隣の人に聞いたところ、その女性が解雇されたそうです。また私の部門の秘書、テクニシャンの2名が解雇となりました。この2名はどちらかというと仕事のできない人、文句の多い人でした。ただ、自分は外国人であり、3年前に私がここへ来たことによって別の人が解雇されている現実に、胸が痛みました。

普段仕事をしているときには笑顔でジョークをとばしながら仕事をしているカナダ人ですが、こういう現状を見るとやはりこの社会は実力社会なのだなと感じました。実はこの会社、90年代に40%の社員が解雇されているのです。それ以来のレイオフですが、40%まではいきませんでしたが、思っていたよりも多くの人が解雇されました。知っている人も何人か解雇されました。

一般的に知られている通り、北アメリカの会社では日本の会社に比べて、比較的容易に社員を解雇します。すべては株主、会社の経営が第一で、それに必要な人材を雇い、逆に必要でない人、給料に見合わないパフォーマンスしか出来ない人は解雇するのは当たり前、という考えがあります。ただし、解雇された人=仕事の出来ない人、ダメな人、というわけでもありません。そのビジネスモデルに必要のない人員は、どんなに優秀な人でも解雇されてしまいます。しかしながら、あるグループから数名解雇しなければならないという判断をする場合、やはり仕事のパフォーマンスが低い順に解雇するということが多いのは事実です。これを逆に社員側からこの状況を見ると、会社、あるいは組織から必要とされる人材になることがもっとも重要なことです。よくこちらの会社ではJob Securityが大事だと言いますが、簡単にいうと、自分がその会社、組織に雇われているときに、自分がそこにいなければならない理由をたくさん作っておく、それは簡単なことではありませんが、とても重要なことです。そのことは次に転職する際にも生かされるのです。なぜかというと、その理由を作ることは、転職する際になぜ自分を雇ってもらうのか、ということにつながるからです。

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