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海外生活の現実
たくさんの日本人が憧れ、夢を抱く海外生活、果たしてその現実は?イギリス語学留学、アメリカ大学院留学、日本とカナダ両方の企業でエンジニアとして就職、仕事を経験した著者が語る、海外生活の現実とは・・・
日本とカナダ 会社員の違い
日本とカナダ、両方の会社でエンジニアとして仕事をしましたが、それぞれの国の会社員には違いが幾つか見られます。もちろん会社によって異なることがありますが、私の経験上、それらを紹介しましょう。

カナダの会社では、スペシャリストがほとんどです。90%のスペシャリストと、10%のジェネラリストから成立っていると言えます。そのジェネラリストは、将来会社の経営者となる候補生が多いです。その他、エンジニアではその道20年のエンジニア、人事部ではその道20年の人事のスペシャリスト、経理部門にはその道20年のスペシャリスト、などと、すべての部門はその道で長い経験を持つ経験者によって成立っています。日本の会社で行われるような社内での異動は、その10%のジェネラリストしかしません。全く仕事内容の関係のない部門へは異動できませんし、もし別の部門へ異動できたとしても、その移動先部門での経験が短いため、給料は下がります。また、経験の豊富なスペシャリストは、上司よりも給料が高い、ということも多々あります。また日本企業のように、2人が全く同じ仕事をシェアすることはあまりありません。2人を雇うことによって給料を分け合うよりは、2人雇うお金を1人に払うことによって、優秀な人に良い仕事条件を出します。その良い仕事条件を出された人は滅多に仕事を辞めません。もし辞めたとしても、まだ別の会社から専門家を雇います。

仕事内容については、そのようにスペシャリストが多いため、個人の能力に頼ることが多いです。よって会議は少ないです。またとにかく効率を重視します。少しでも無駄なことがあると、はっきり時間の無駄だ、また、ある人がやるよりも別の人がやるほうが効率の良い仕事があれば、別の人がやれ、とはっきり言われます。つまり、自分の出来る仕事、得意な仕事がないと、仕事はまわってきません。いつかは解雇、となります。また、自分より給料の低いポジションの人でもできるような仕事は、そちらの人へその仕事をまわせ、言われます。そして、社員はよく勉強します。時代はもちろん変化しているので、学校を卒業したときの知識だけでは定年退職まで持ちません。私の会社も、毎年約30万円程度、教育費を出してくれ、自由に勉強することが出来ます。

給与については、欧米は年棒制だと良く言われますが、結局は日本の月給制度と同じで、2週間に1度、2週間分の給与が支払われます。さらに年末にはボーナスが追加されます。年収は経験年数、ポジションの仕事内容、前年度のパフォーマンスによって決められます。年齢は本当に、面接のときから採用した後までずっと聞かれることはありません。私の部下にも、年が20歳くらい上の人がたくさんいます。また次の年度の給料は、上司との面接によって決まります。前年度から何%UPか、パフォーマンスレビューという面接を上司と行い、決まります。日本の会社よりもパフォーマンスによる次年度給与の上下が激しいです。また年度末にはそのパフォーマンスにより、ボーナスも支払われます。その他、自宅待機時に支払われる手当て、出張手当などは、一般に日本の企業よりも手厚いです。たとえば出張手当は家を出た時間から残業代として支払われます。これらは国の労働基準法に定められています。

勤務時間については、カナダでは朝8時くらいから仕事を始め、夕方4時ごろにはだいがい帰ります。日本の会社では、特に都心では、夜遅くまで仕事する人が多いですが、カナダでは残業は多くて週10時間程度までです。また早く仕事が終わった場合は、もちろん帰って良いです。特に私の場合は管理職レベルであるため、勤務時間は完全に自己管理に任せられており、上司も私の勤務時間を正確には把握していません。すべては仕事のパフォーマンスが問題なのです。

休暇については、有給3週間以上は保証されており、ほぼ全員がそれを使い切ります。もし使い切らないと、その分お金でもらえるという制度のある会社もあります。また有給をお金で買える会社もあります。病気の場合はそれ以外にSick Leaveというのが用意されており、医者の証明があれば無限に取れます。出産休暇については、国の企業保険制度により、両親合わせて7ヶ月程度、70%の給料をもらいながら、産休を取ることができます。もちろん理由があれば延長可能です。

カナダの会社のほとんどは、企業年金制度があります。一般に、外資系の会社は退職金が少ない、などといわれることがありますが、カナダの会社はそのようなことはありません。例えば、30歳から65歳まで一つの会社で仕事をした場合、最後の年の給料の70%が、定年後毎年、本人が死ぬまで支払われる、といったシステムがあります。

会社によってストックオプションがあるところもあります。会社によって違ってきますが、毎年給与の中から自社株を給与の6%分購入すると、給与の2%分を会社が付け足してくれる、またその株は1年間以上は保持しなければならない、というような制度です。

カナダの会社では、サマースチューデントといい、大学生が夏休みの期間中、パートタイムで、会社で仕事をする機会を持てます。例えば私の部署では、週3日8時間、時給15ドル程度で、コンピュータサイエンス学科の生徒を雇ったことがあります。仕事内容はというと、簡単なプログラミングの仕事などをお願いします。日本の多くの学生は、レストラン、コンビニ、家庭教師など、将来自分の就く仕事とは全く関係のないアルバイトをする傾向にありますが、カナダではこのような機会を利用して、将来の自分の仕事に役に立つことをする生徒が多いです。そこで自分の仕事ぶりが認められれば、卒業後そこで完全就職、というチャンスも増えてきますので、生徒も必死に仕事をします。生徒側にアドバンテージがあるだけでなく、企業側にも、正社員として生徒を雇う前にその人の仕事ぶりを、しかもリーズナブルな賃金で把握ですることができます。企業のリスク削減につながります。

カナダの仕事環境、すこしでもわかっていただければと思います。もちろんこれらは私の経験上の話ですので、他の会社、仕事では、違うことも多々あるとは思います。海外の会社での仕事、僕でも通用するくらいですので、日本人でも海外で仕事をするチャンスはいくらでもあります。これを読んで海外で仕事したい、と思ったからたは是非一報ください。

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2013/09/27(金) 07:44:54 | | #[ 編集]
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2013/08/21(水) 07:20:53 | | #[ 編集]
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2013/07/15(月) 15:52:41 | | #[ 編集]
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2013/03/18(月) 02:53:50 | | #[ 編集]
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2012/04/08(日) 16:06:25 | | #[ 編集]
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2011/07/11(月) 22:55:12 | | #[ 編集]
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2010/10/07(木) 01:32:03 | | #[ 編集]
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2007/05/02(水) 14:44:17 | | #[ 編集]
難しい質問ですね・・・
スペシャリストになるにはどうすればよいか・・・難しい質問ですね。
まず、これは日本にいても海外にいても答えは同じだと思います。海外だからスペシャリストになるのは難しい、というわけではなく、どこの国にいても、何をすれば良いかは同じだと思います。
スペシャリストになるには、仕事場で仕事をしながら特殊な経験をする、もしくはトレーニングを受けるのが基本だと思います。もし仕事場でそれが出来ていないと思うのであれば、専門学校へ行ったり、大学院へ行ったりというチャンスは、特に海外では、たくさんあります。
りょうさんの場合、単純作業で始まり、その作業場を改善していた、という、すばらしいことをしたんですよね?それも一つのスペシャリストなんですよ。履歴書に書くとしたら、十分アピールできることです。単純作業を効率化し改善する、これを1年で達成して、事務職へ昇進し、新しい仕事が入ってくる、これはかなり良いサインだと思います。まだ1年ですので、そのまま頑張ってどんどん新しい仕事を任されるようになれば、自然と普通の人では出来ないようなことを出来るようになれると思います。5年くらいはそこで頑張ってみるべきだと思います。そのとき、りょうさんはスペシャリストになっていると思います。
2007/01/20(土) 11:44:21 | URL | Mapleくん #tHX44QXM[ 編集]
初めまして
とても意見や見方がフェアなので素直に読ませて頂いてます。
私は去年パッキング業務という単純作業の仕事を、カナダでの初めての仕事として一年しました。そこでは、業務引継ぎ後自分流にマニュアル作りや、作業場の改善等をしてる内に上司から事務もやってみないかという事でどんどん新しい仕事が入ってきました。
しかし、今後カナダで又職を見つけてスペシャリストになる為には学校卒業後どのような形でスペシャリストを目指したらいいのでしょうか?スペシャリストになる為の経験を積むまでは皆さんどのように自分をアピールをしていくのでしょうか?
カナダでは結婚しても女性も働くのが当たり前だし、私自身も自立した女性になる為に今頭を悩ませております。
2007/01/16(火) 16:04:08 | URL | りょう #-[ 編集]
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